脱着型家畜運搬シェル ブルキャリー 詳細レビュー
ご無沙汰しております。
家畜運搬車を購入したのでレビュー記事を投稿します。
まず初めに。
家畜車を導入するにあたり、考えたこと。
・脱着可能式のものを選択したい
家畜運搬時以外はベース車を飼料(自家産デントコーンサイレージのラップ梱包)運搬に使用したいと考えたからです。
・ウィンチを装備したい
なかなか乗り込まないウシには大変苦労します。どうにもならないウシには鼻環、頭絡の牽引にウィンチを補助使用したいと思っていました。
・なるべくお金をかけたくない
家畜商の仕事をしない限り、家畜車を導入しても売り上げがあがるわけではありません。こだわりだすととことんこだわってしまう性なので、我慢、我慢。
ベース車両はいすゞ・エルフワイド超ロングボディ4WD。ロングボディになると空荷時、後輪へ荷重がかからずスタッドレスタイヤを装備したとしても降雪時に運用が難しくなるため、4WDにしました(探してみると4WDはほとんど市場に出回っておらず見つけるのに苦労しました)。
肉牛ジャーナルに掲載されていた広告を拝見し、宮城県の新生自動車株式会社さん(https://shinseibody.sub.jp/)にお願いすることになりました。
ウィンチを装備することから、電装関係の部品をベース車に装着する必要があり、車両を持ち込んでの制作になりました。
オーダー、打ち合わせを重ね、待つこと1カ月半。先日車両が到着しました。一か月半で製作できるとは、仕事の早さに驚きました。
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ブルキャリー側方
今回は車内長5.0m 幅2.0m 高さ1.85m にて制作いただきました。
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ブルキャリー後方
左上のブランドロゴがいい感じです。ベース車もブルキャリーに合わせ、シルバーが良かったか??
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ウィンチボックス外観
車外に飛び出したウィンチボックスをL字アングルで支えています。フロントパネルに直付けではなく、相応の補強板が挿入されています。
後に画像がありますが、ウィンチはボックス上面にマウントされているため、牽引力はフロントパネルの外枠部分にかかることになります。
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電装カプラー シェル⇔車体 接続部
上がシェル方向、下が車体方向のカプラーです。シェルを車体に取りつけ後、ウィンチを使用する際はこのカプラーを接続する必要があります。
車両側のカプラーは雨水の混入を防ぐため、斜め下に取り付けてあります。
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ウィンチスイッチ部への配線分岐
ウィンチスイッチは車両後端で操作する必要があるため、配線を後ろに伸ばしています。配線はシェルの枠内を通って最後端へ。
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車両最後端 ウィンチスイッチ連結部
雨水混入防止の為、カバーがついています。
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シェルと車両の連結機構
シェル側の固定部位と車体のフックをターンバックルにて連結します。 アオリにゴムパッドを当てることで保護しています。
個人的にこのあたりの審美性はもうひと工夫したいところ。
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アユミ板下部
アユミ板の開閉は以前はウィンチを用いる方式でしたが、最近バネ開閉式を開発したとのことです。
今回は後者のタイプで、バネの力を伝えるため、複雑な作りになっています。
軽い力で開閉できる優れもの。
ただ、車両運行時にぶつけやすい部位のため、慎重に運用する必要があります。ここをぶつけるとアユミ板が開けられなくなる可能性が。。。
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アユミ板上部
バネ開閉式のキモとなるスプリングが内蔵されています。 赤色のスプリングを使っているのが何ともクルマ好き心をくすぐられます。裏地にこだわる着物のようにチラッと見える部分に粋なはからいが。
ロゴとおそろいの色なのもいいですよね。
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ブルキャリー右側方
車体右側は別売りの尻当てのビニールカバーが装着されています。
高速走行時バタつかないよう、小刻みに車体外側へ牽引しながら固定されています。
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あゆみ板開放の図
二つ折り式のあゆみ板に比べ、やや傾斜はきつく感じますが、後輪を窪地に落とし込む工夫等をすればなんとかスムーズに乗り込んでくれると思います。
![](https://sasazaki-farm.com/wp-content/uploads/2023/12/IMG_20231208_094600-1-scaled.jpg)
あゆみ板拡大図
ステンレス縞板を用いています。
![](https://sasazaki-farm.com/wp-content/uploads/2023/12/IMG_20231208_094610-scaled.jpg)
あゆみ板上部
開放時はスプリングが縮み、この反力を利用してあゆみ板の閉鎖動作をアシストします。
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ウィンチ用ワイヤー
天井のシャックルに滑車が装着され、ウィンチを使用しないときはここにフックを固定します。
ウィンチ使用時はシャックルのピンを抜き、ワイヤーを滑車から外して使用します。
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ウィンチ用ワイヤーその2
こちらも、ウィンチ使用時は外して使用します。
この脱着にひと手間かかるかもしれません。
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ウィンチ本体
牽引能力は水平荷重で2トン以上。ただし、取り付け部位がその荷重に耐えられるかは不明なので本格的な牽引はしないほうがよいと思います。
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ウィンチラベル拡大図
アメリカ ラムセイ社製のウィンチがついています。
![](https://sasazaki-farm.com/wp-content/uploads/2023/12/IMG_20231208_094726-scaled.jpg)
脱着用アタッチメント(フォークリフト使用時)
シェル側方に取り付け位置のマークがあるので、それに従ってアタッチメントを装着します。画像右側はベース車両の取り外された後ろアオリ(ブルキャリー装着時には後ろアオリを外す必要があります)。
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アタッチメント取付位置のマーク
シェル全体の重量バランスをみて、アタッチメント取付位置を決めているようです。本体は5メートルを超える長尺なので、通常のフォークリフトの保持幅ではバランスを保つのに神経を使うだろうと思います。
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尻当て用シート
新生自動車さんでオプション装着していただきました。成牛を運搬する際、このシートがないと排泄物が道路に落ちる可能性がありますので、装着必須だと思われます。
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床板(高張力鋼板)拡大図
木製床だと、腐食により床抜けが起こりますが、このタイプは長持ちしそうです。
長持ちさせるためには湿った敷料を適宜取り除くのが肝要だと思います。
以上、ブルキャリーの到着時レビューでした。
お値段等、気になると思いますが、新生自動車さんに直接お問い合わせ下さい。
価格に関して私個人の感想としては
「お値段以上」
だと思います。
全体をまとめた感想としては、写真は堆肥舎では無く、もっといいところで撮ろう、ということです。
![](https://sasazaki-farm.com/wp-content/uploads/2023/12/IMG_20231208_094339-320x180.jpg)
先生、素晴らしいブルキャリーですね。
益々のご発展をお祈り申し上げます。